富山大学学生による社会還元活動

 どのレベルの学修成果を目標とするのか。成果の到達度を考える時、知識と技術を他の人に還元することを念頭においた学修が大切です。それが、高いレベルでの知識習得につながります。

富山大学学生サークル「TULid」

 富山大学では、感染症についての学びを通して社会への還元を目指す、学生サークル「TULid」が2022年度に発足しました。Toyama Unified Learning about Infectious Diseasesを由来とし、富山のシンボル、チューリップ(Tulip)がロゴに使われています。

 高校生向け感染症関係イベントのサポートや、新入生向け動画のモデル・作成、集団検査の支援、You tubeでの手洗い動画配信など、幅広く活動中です。
 Unified Learningには、いろいろな意味が込められています。座学で聞く、書籍を読む、動画を見る、人と話すといった、サークル構成員ひとりひとりで取り組むことだけではありません。サークル活動に触れた周囲の人も学べる…これがUnified Learningです。

 学生の間には、多くの経験を積むことが大切です。「感染症について今の自分は何ができるだろうか。」とそれぞれの立場で考えてみた時、TULidは社会とのつながりを生み出す一つの機会でもあります。

富山大学の若手人材養成

 国内では、地域医療で活躍する若手人材の育成が求められています。新型コロナウイルス感染症は、現在の医療体制と地域社会との関係がいかに希薄かを露呈しました。文部科学省としても課題解決のために、地域医療を支える人材養成に支援を始めています。

 その中でも富山大学は、地域医療の人材養成に力を入れる中心的な大学の一つです。新潟大学との連携事業も始まり、日本中から注目されています。

 地域医療では、地域の人に感染症を正しく理解してもらうことが大切です。それに加えて、医療関係者自身が感染症についてよく知っておかなければなりません。新型コロナウイルス感染症の際には、医療従事者が必要以上に恐れたために、必要なサービスを受けられない人たちが存在しました。

 富山大学では、医療従事者の感染症への理解不足は、強化しなければならない重要な課題だと捉えています。今までのカリキュラムでは十分に養成できなかった能力を備えて卒業できるよう支援します。

富山大学で社会還元活動の第1歩を

 学生さん自身の力で社会とつながり、何かアクションを起こすのは想像以上に難しいものです。試験をパスしたり、実習をクリアすることよりも、ハードルを高く感じてしまうでしょう。

 しかし、富山大学には、社会還元活動に取り組むための土壌があります。学生サークル「TULid」や、富山大学と新潟大学との連携事業を通して、新しい医学を学び、実践しませんか?

 私たちは社会還元のために何ができるのでしょうか。この課題を、一緒に考えましょう。